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カリキュラム概要

コース担当教員からの挨拶

Kouji Tanabe

「エグゼクティブMOT集中セミナーの開講にあたって」
−「未来を拓くイノベーションマネジメント」 “Innovating out of Recession”−


 MOT (技術経営)は、技術を創造しそれを知財として活用し事業化するというイノベーション創出サイクルのマネジメントです。グローバル化やIT化、世界的な金融・経済危機など、企業の経営を取り巻く環境は大きく変化していきます。産業・企業にとっては既存ビジネスの再構築や新ビジネスの創造が大きな課題となっており、イノベーションを創出するMOTの理解と活用は企業経営者にとって必要不可欠の要素となってきております。
 社会に役立つMOT教育として、経営者を対象に、短期間で集中してMOTを学ぶ機会を提供しております。本セミナーに参加される方々がMOTを学ぶことにより、イノベーションを効果的に推進していただくとともに、交流を通して人的ネットワークを構築する場となることを期待しています。


イノベーションマネジメント研究科教授 田辺孝二



講師紹介

ヒューゴ・チルキー スイス連邦工科大学教授

1971-76年 Carl Zeiss(スイス)のCEO、1976-82年 Cerberus のCEO。
1982年からスイス連邦工科大学の経営学、技術&イノベーションマネジメントの教授。
1992年に東工大、2000年にMITで、サバティカルの研究・教育に従事。
スイス連邦工科大学にて大学院および社会人を対象としたマネジメント教育の責任者も歴任。


著書
「科学経営のための実践的MOT」(日経BP社、2005年)
「イノベーション・アーキテクチャー」(同友館、2009年)



セミナー支援・要点解説
出川通
株式会社テクノ・インテグレーション代表取締役、島根大学・香川大学客員教授。
著書 「実践ロードマップ入門」(言視舎、2015)、「実践図解MOTマーケティング入門」(秀和システム、2013)、「新事業とイノベーションにおける知財の活かし方」(発明協会、2011)ほか多数。

田辺孝二
東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科教授


セミナーの目的

 企業経営者(CEOやCTO)や技術企画担当幹部の方々に、国際的に著名なMOT教育の第一人者であるヒューゴ・チルキー氏(スイス連邦工科大学教授)から、企業の未来を拓くイノベーション創出のマネジメント(技術経営:MOT)を短期間で集中的に学んでいただくセミナーです。

特徴

(1) 経営者・企業幹部の方々に、短期集中で「実践的で本格的なMOT」について学ぶ機会を提供します。
(2) 新世代MOT(イノベーション・アーキテクチャー)は、イノベーションを目指す経営者・企業スタッフの必須の手法です。
(3) チルキー教授は北陸先端大等でのMOT教育に長年携わっており、わかりやすい英語で説明、テキストは日本語併記です。グループ活動は日本語で行います。日本語による要点の解説、Q&Aを行います。
(4) 参加型学習として、"新世代 MOT"の手法をグループワークで実体験したり、実践している企業を訪問します。
(5) 講義でのディスカッションやQ&Aでは、日本人教員による充実した体制で活発な議論をファシリテートします。

学習形態

 多様な業界や業種から参加する経営者・企業幹部などが、MOT教育の第一人者から"新世代MOT"を学び、教授陣が活発な学習と議論をファシリテートします。これらの学習プロセスを通じて、"未来を拓くイノベーションマネジメント"の実践を目指します。

※講義は英語が中心、テキストは日本語併記、要点解説は日本語で行います。


学習形態と学習目標


学習内容

(1) "技術とイノベーションのマネジメント" (MOT)の概念
(2) 企業においてイノベーションを推進する仕組みの解説と事例紹介
(3) イノベーションを実践する企業訪問
  ※ヤマト運輸株式会社(YAMATO TRANSPORT CO., LTD.)を予定
(4) 新世代MOT の手法
  ・Innovation Architecture
  ・Innovation Strategy Morphology
  ・Innovation Roadmap
  ・Business Model
  の解説とグループワーク

グループワークの様子
グループワークの様子

スケジュール

期間:平成28年6月16日(木)〜19日(日)
場所:田町CIC

月日 時間 内容
6/16
(木)
11:00〜12:30 講義1:MOTとは何か、イノベーションとは何か
13:30〜15:00 講義2:技術は経営の基本要素
15:15〜16:45 講義3:新世代MOTとは 新世代MOTの実践的応用(1)
17:00〜18:15 講義4:新世代MOTの実践的応用(2)
18:15〜19:45 交流会(自己紹介など)
20:00〜21:30 懇親会(任意参加)
6/17
(金)
8:30〜12:00 企業訪問 ヤマト運輸株式会社
14:00〜14:30 要点解説とQ&A
14:30〜16:00 講義5:グループワークイントロダクション(1)
イノベーションアーキテクチャー
16:15〜17:30 講義6:グループワークイントロダクション(2)
戦略的モルフォロジー、ロードマップ
6/18
(土)
 9:30〜10:00 要点解説とQ&A
10:00〜11:30

講義7:グループワークイントロダクション(3)
ビジネスモデル

講義8:新世代MOTの実践的応用(3)

11:30〜17:00 グループワーク
6/19
(日)
 9:30〜10:00 要点解説とQ&A
10:00〜11:00 グループ発表、討議
11:15〜12:45 講義9:新世代MOTの実践的応用(4)
13:45〜15:15 講義10:新世代MOTの実践的応用(5)
15:30〜16:30 講義11:新世代MOTの実践的応用(6)
16:30〜17:30 要点解説とQ&A、最終討議
※グループワークの時間は、各グループで適宜、休憩を取ります。

このような方に受講をお勧めします

<受講者の例>
本セミナーには、次のような方が参加されています。
週末を利用した集中セミナーのため、関東圏以外の方も多数、ご参加いただいてます(平成22〜27年度実績)。

(所属先)

宇部興産、エーザイ、荏原製作所、王子製紙、キヤノン、グリコ乳業、資生堂、JSR、JX日鉱日石エネルギー、新日鉄住金エンジニアリング、スズキ、住商アビーム自動車総合研究所、住友金属鉱山、住友電気工業、TDK、DIC、デンソー、東芝、東京ガス、日揮触媒化成、日新イオン機器、日東電工、日本電気、日本ゼオン、野村総合研究所、日立公共システム、日立製作所、日立ハイテクノロジーズ、富士ゼロックス、古川電工、本田技研、マツダ、三菱電機、ブリヂストン、三井造船、横河電機、リケン、リコー、ヤマハなど
(職務等)

社長、副社長、取締役、研究所長、技術開発部長、マーケティング部長、開発室長、開発戦略部主席研究員など

<受講生の評価 (5段階評価 平成25〜27年度平均)>
授業の総合的な満足度はどのくらいですか 平均4.1
今後自分の業務に役立つと考えますか   平均4.1

・チルキー先生の講義を聞いて、はじめてわかることも多く大変勉強になった。
・大変面白い試みで参考になりました。チルキー先生の日本に関する造詣の深さに感銘しました。
・概念論だけでなく、具体論まで踏み込んで教えていただけたことで、企業現場での実践につなげることができると思いました。
・優れたメンバーと議論することができたことは非常に刺激的でした。まず自分たちを知ること、向かうべき方向を決めること、それがイノベーティブであること、そのギャップを知り、埋めるべく手段を選択すること、とても印象的で、勉強になりました。
・ロジスティックセンターの訪問は、先進的な取り組みやイノベーションに対する仕組みを知ることができ、大変有意義だったと思います。


実施体制

主 催 : 東京工業大学社会人社会人アカデミー
事業主体 : 環境・社会理工学院(技術経営専門職学位課程)
※平成28年度4月より大学の教育改革により組織変更を予定しています
修了認定 : 修了者には社会人アカデミー長名の「修了証書」を交付いたします。評価については、出席状況を含め、コースごとに行います。