カリキュラム概要
研究科からの挨拶 |
「アドバンストMOTコースの開講にあたって」 働きながらMOTの学びを深めたいという社会人のみなさまの期待に応えるべく、アドバンストMOTコースを開発しました。すでにCUMOTで提供しているエッセンシャルMOTが、企業経営における技術やサービスの"マネジメントの幅を広げる(MOTの視点を持つ)"ためのカリキュラムになっているのに対して、アドバンストMOTは"マネジメントの質を高める(MOTを創造的に活用する)"ためのカリキュラムとなっています。 イノベーションマネジメント研究科長事務取扱 田辺孝二
|
コースの趣旨と特徴 |
単に多くの学説や事例を紹介するのではなく、MOTを学ぶ意味や意義をより深く理解していただき、自らの経営的な課題に自らが取り組むための基本的な考え方を身につけていただくことを目的とします。
カリキュラム
経営史や科学哲学など自らの考え方を棚卸しするような学習テーマや、領域別グループ課題、本学教員による事例研究レビューなど、「独自の経営理論を創る力を養う」「独自理論を創るための情報収集能力を養う」ことを実践するカリキュラムです。
事例研究
個人課題として事例研究にも取り組んでいただき、コースの最後に発表をします。研究対象は、受講生が所属する企業や組織における問題や課題などを事例として取り組んでいただきます。ゼミ形式に近い講義形態になりますので、少人数での開催(10〜12名程度)を想定しています。
平成24年度からの変更点 |
【受講対象者を限定しました】
エッセンシャルMOTおよびエッセンシャルMOT秋季コースの学習経験がある方に限定することで、MOTに対する考え方や知識共有、グループ学習などを効果的に進めます。
【学習期間の設定を長くしました】
6ヶ月全24回の開催を9ヶ月全16回に変更することで、受講科目について各自が考えたり、事例研究に取り組む時間を確保します。
【開催曜日を水曜日に変更しました】
エッセンシャルMOT同様に、水曜日の夜の開催とすることで、受講しやすい曜日設定をしました。
【カリキュラムを変更しました】
サービスイノベーション領域につきましては、平成23年度より「サービスイノベーション集中コース」として提供することになりました。
カリキュラムマップと学習目標 |
・企業経営を取り巻く社会環境の理解を通じて、経営の理念など企業活動の本質を学びます。
・社会における科学技術や知識の理解を通じて、論理的思考の重要性を再認識します。
・製品・サービスを生み出すクリエイティビティ(創造性)を高める技術経営戦略に必要な戦略論や研究開発などの考え方を学びます。
・コースを通して個人課題として事例研究に取り組み、「独自の経営理論を創る力」「独自理論を創るための情報収集能力」の修得を目指します。
学習形態
学習形態は、授業テーマに応じて「講義&議論」「グループワーク」を行う参加型の講義です。コースを通じた個人課題として"事例研究"に取り組みます。また、グループワークや学習支援システムを通じて、受講生同士でも学びます。
これらの学習プロセスを通じて、"経営を論理的/戦略的/創造的に実践できる人材"を目指します。
スケジュール |
曜日と時間:水曜19時〜21時(初回ガイダンスおよび事例研究成果発表は土曜開催)
場所:田町CIC 713教室
月日 | 回 | 学習領域 | 科目 | 担当 | 課題 |
---|---|---|---|---|---|
7/14(土) | - | 演習 | 受講ガイダンス | 藤村 古俣 |
GMSS 演習課題 |
- | 事例研究@ 説明 | 古俣 | |||
1 | 学習とキャリア | 櫻井 古俣 |
|||
7/18 | 2 | 企業経営の 社会環境 |
経営の歴史と理念@ | 島田 | 個人課題 |
8/1 | 3 | 経営の歴史と理念A | 島田 | ||
9/5 | 4 | 経営法務@ 社会制度としての法 | 高野 | 個人課題 | |
9/12 | 5 | 経営法務A 経営活動と法 | 高野 | ||
9/26 | - | 演習 | 事例研究A テーマ発表 | 古俣 | 個人課題 |
10/17 | 6 | 科学技術 と知識 |
知識と学習 | 櫻井 | グループ 課題 |
10/24 | 7 | 科学哲学 | 中島 | ||
11/7 | 8 | 科学史・科学論 | 調 | ||
11/14 | 9 | グループ課題発表 | 調 櫻井 |
||
11/21 | - | 演習 | 事例研究B 中間発表 | 古俣 | 個人課題 |
11/28 | 10 | 技術経営 戦略 |
R&D | 藤村 | グループ 課題 |
12/5 | 11 | アーキテクチャ | 藤村 | ||
12/12 | 12 | 企業戦略とイノベーション@ | 辻本 | ||
12/19 | 13 | 企業戦略とイノベーションA | 辻本 | ||
1/16 | 14 | 技術経営戦略分野 グループ課題発表 |
藤村 辻本 |
||
3/2 (土) |
15 16 |
演習 | 事例研究 / 発表 /修了式 | 藤村 辻本 |
個人課題 |
講師紹介 |
講師プロフィール | ||
---|---|---|
島田昌和 | 文京学院大学経営学部 教授 | 経営史、とりわけ渋沢栄一の企業者活動を史的研究。また、「研究光学系精密機械産業」「コンテンツ・ビジネス」など日本の企業間競争を題材に現代企業経営も研究。著作は『渋沢栄一−社会企業家の先駆者』(岩波新書、2011年7月発売)など。 |
高野一彦 | 関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科 教授 | 中央大学博士(法学)。専門は企業法学、情報法学、企業の社会的責任論。大手企業のコンプライアンス責任者、 名古屋商科大学大学院 教授、関西大学 准教授を経て現職。経産省製品安全広報検討委員会委員長、日本経営倫理学会理事、経営倫理実践研究センター 上席研究員などを歴任。著書『情報法コンプライアンスと内部統制』(初版)は、2008年度日本リスクマネジメント学会優秀著作賞を受賞。 |
櫻井 良樹 | 熊本大学 大学院教授システム学専攻非常勤講師 NECラーニング株式会社 |
企業におけるイノベーションと知識の創造を組織と個人の視点から研究。 ASTD JAPAN 組織開発委員会委員。技術経営修士(専門職)。 |
中島 秀人 | 東京工業大学 大学院社会理工学研究科 経営工学専攻 教授 | 日本の科学技術史を研究。著作『日本の科学/技術はどこへいくのか』(岩波書店)はサントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞(2006年)。 |
調 麻佐志 | 東京工業大学 大学院理工学研究科 准教授 | 科学計量学・科学技術社会論を研究。研究テーマは、科学技術計量モデルに関する理論的研究 、科学技術イノベーション政策。 |
藤村 修三 | 東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科 教授 | 工学博士(千葉大学)。専門分野は「イノベーション理論」「技術者のキャリア」「サイエンス型産業」など。CUMOT「アドバンストMOT」コース担当教員。 |
辻本 将晴 | 東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科 准教授 | 政策・メディア博士(慶應義塾大学)。専門分野は「経営戦略論」「経営組織論」。研究テーマは「ビジネス・エコシステム形成・発展の戦略(非接触IC"FeliCa")」「基礎科学の知識創造を誘発させる組織と研究者ネットワークの分析(AT&Tベル研)」など。 |
コース担当教員挨拶 |
---|
MOTや経営学をある程度学んだ、あるいは自習した経験をお持ちの方に、単により多くの学説や事例を紹介するのではなく、MOTを学ぶ意味や意義をより深く理解していただき、自らの経営的な課題に自らが取り組むための基本的な考え方を身につけていただくことを目的としてアドバンストMOTコースを創りました。この目的を実現するために、第2回〜9回に企業が高い確率でイノベーションを実現するための背景を考えるための講義群を配置しました。島田先生は、経営史を専門とし、現代の企業経営にも精通しています。中島先生は科学・技術史では日本を代表する研究者です。調先生は科学技術イノベーション政策にも精通し、科学技術社会論を研究しています。実務経験豊富な櫻井先生、高野先生と並ぶ講師陣は私自身が受講したいと思う、本科にもない豪華な陣容となっています。是非御参加下さい。 イノベーションマネジメント研究科教授 藤村修三
|
事例研究 |
個人課題として、コースを通じた「事例研究」に取り組み、発表をします。事例研究のテーマは、願書提出時に記載いただきます。研究対象は、受講生が所属する企業や組織における問題や課題を事例として取り組んでいただきます。
平成22年度実績
(研究テーマ例)
・A社を通したソーシャルビジネス
・イノベーションと組織〜B社のCサービス事例をもとに、大組織内のベンチャー組織のあるべき姿を探る〜
・中小企業のキャラクターマーチャンダイジング
事例研究 発表の様子
アドバンストMOT 運営スタッフ |
エッセンシャルMOTではテーマ別にそれぞれ概要を学習しましたが、アドバンストMOTでは「MOTの実践にあたって論理的や創造的に考えるためには何が必要か」を皆さんに考えていただくためのカリキュラムをご用意しています。そして、事例研究の取り組みを通じて、MOTの学びと自らの仕事上の課題を結びつけて、論理的・創造的な思考を修得していただきたいと考えています。ビジネス書のような「ノウハウ」や「すぐに使える○○!」といったものを提供するものではありませんが、エッセンシャルMOTを受講された皆さんだからこそ、得られるものも多い内容となっています。MOTの学習経験を持つ受講生同士の学び合いは実践コミュニティとして機能し、お互いの刺激にもなります。ぜひ、ご検討ください。
スタッフ プロフィール | ||
---|---|---|
古俣 升雄 | 東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科 特任助教 | 経営学修士(キャリアデザイン学 法政大学)。研究テーマは「キャリア研究(学習を通じたキャリア形成)」「社会人の学習環境」。CUMOT「アドバンストMOT」コース、コーディネーター。 |
平野 琢 | 東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科 博士課程 | 経営学修士(一橋大学)。研究テーマは「技術倫理」。CUMOT「アドバンストMOT」コース、アシスタントコーディネーター。 |
プログラム修了の認定 |